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はじめに
「生前整理」というと、モノを捨てることだけのように思われがちです。
しかし、その本質は＜残される人の負担を減らすこと＞にあります。特に相続が関係する場面では、事前に情報や書類を整理整頓しておくことで、家族の混乱や争いを防ぐことができます。
ここでは、相続を意識した生前整理の視点から、確認しておきたいポイントをまとめました。
財産の把握・記録編
- □ 預貯金・証券・不動産などの財産リストを作成しているか
- □ 借金・ローン・保証人などの負債についても整理しているか
- □ 金融機関・証券口座などの取引先情報を一覧化しているか
- □ 相続税が発生する可能性を検討しているか
自分の財産を洗い出ししたら、その財産のバランスも把握しておくと良いです。財産が不動産に偏っている場合、相続税が課税になった場合の納税資金をどのように準備するのか検討しましょう。
財産のほとんどが金融資産である場合、できる節税策が少ないかわりに相続税額の試算はしやすいですし、納税資金確保の心配も少ないですね。
重要書類・契約の整理編
- □ 通帳・印鑑・保険証書・不動産権利書の保管場所が明確か
- □ エンディングノートや遺言書を作成しているか／作成を検討しているか
- □ 契約中のサービス（サブスク・公共料金など）をリストアップしているか
- □ パソコンやスマホのロック解除情報・デジタル遺品の管理を考えているか
可能な限り銀行口座も減らしておいた方が、相続人の手続きにかかる手間を減らすことができます。
紙の通帳や取引報告書を発行しない金融機関も多くなっていますので、財産目録をまとめておくことをお勧めします。
家族への引き継ぎ・共有編
- □ 財産や希望を誰かに伝える準備（または意志）があるか
- □ 家族が財産や書類の所在を把握できるようになっているか
- □ 「相続で揉めそうな点」は今のうちに洗い出しているか
- □ 「これは自分で処分してほしい」ものを明示しているか（遺品整理対策）
夫婦間はもちろん、子どもたちが20代になったくらいからは、家族への情報開示を少しずつ検討しましょう。
関係性の良くない家族がいる場合や、独身、子供のない夫婦である場合は、公正証書で遺言を残す必要があります。
おわりに
生前整理は、自分のためであると同時に、残される家族への思いやりでもあります。完璧である必要はありませんが、「これだけは伝えておきたい」ということを少しずつでも形にすることで、相続が始まるときに大きな安心を残すことができます。始めるなら、思い立った今がタイミングです。
