親が終活についてどのような思いを持っているのか、質問するのは心理的ハードルが高いものです。
「何かあったときは子供に任せるよ」と仰る親御さんは非常に多いです。
もちろん、我が子を信頼している、ということ自体は素晴らしいことです。
しかし、「親が本当に望んでいること」が何なのか。
いざという時になると、分からなくなってしまうことがあります。
親の本音を汲み取るには、早い段階から対話を重ねることが大切です。
そこで、親の終活について、ざっくばらんな対話の中でぜひ確認しておきたいポイントを、この質問集にまとめました。
もちろん、ここにあるようにストレートに聞くことは難しい場合も多いでしょう。できるだけ何気ない日常会話から、自然に親の終活に対する本音を引き出せるよう、質問のしかたを工夫してみてください。
暮らし方・生活のこだわりについて
- 今の生活で「失いたくない」と思っていることはありますか?
- 自宅での生活をどこまで続けたいと思っていますか?
- 介護が必要になったとき、どんな場所でどんな支援を受けたいですか?
終活ナビ子例えば、実際に認知症などで本人から希望を聞き出すことができなくなった時、どのようにサポートするのが良いのか?施設に入居させたのは間違いではなかったのか?
少し想像力を働かせて、一緒に検討してみましょう。
お金・財産の扱いについて
- お金の管理に関して、誰かに任せたいと考えていますか?
- 財産に関して、自分が元気なうちに伝えておきたいことはありますか?
- 相続の際に「こうしてほしい」と思っていることはありますか?



高齢者を狙った詐欺も増えています。
→参考:特集 高齢化の進展と警察活動(警察庁)
万が一被害にあったとき「子供に知られたら怒られる」「誰にも言えない」とひとりで悩んでしまうことがないように、「支えるよ」という気持ちを伝えられるといいですね。
建設的な話ができるようにするためにも、なるべく元気なうちに、任意後見や家族信託などの制度の活用も検討しましょう。
具体的なポイントについては、以下の記事もご参照ください。


人とのつながり・感謝について
- 今、感謝を伝えたい人がいますか?その思いをどう残しておきたいですか?
- 大切にしてきた価値観や信念は何ですか?家族に伝えておきたいことは?
- 「自分らしくいられる」と感じるのはどんなときですか?



私自身、父の交友関係について、亡くなった後になって初めて知ったことも少なくありません。
死や看取りについて(特にデリケートなテーマ)
- 最期の迎え方について、考えていることがあれば教えてください。
- 延命治療について、どのように考えていますか?
- 葬儀やお墓について希望はありますか?



※ このセクションは、親の状態や関係性によっては焦らず、時間をかけて聞くようにしましょう。
おわりに
「何を大切にしているか」は、人によって本当にさまざまです。
だからこそ、いざというとき、本人の意思がわからないまま決めなければならないのは、家族にとっても苦しいこと。
「本当にこれで良かったんだろうか……」と、後になっても心に残ってしまうかもしれません。
今のうちから少しずつ、自分の親がどんな価値観を持って生きてきた人なのか、耳を傾けてみませんか。



ある程度思いが決まってきたら、遺言を書いてもらえると理想的。
家族の相続手続きの負担がぐっと軽くなります。









